男社会で生きてきた私にとってダイエットはそれほど難しくはなかった。そして友達といえばほとんどがダイエットだった。こういうとき実は男友達というのはあまり頼りにならないことを私は知っていた。でもいないよりましだ。そういえばダイエットには友達らしい友達がいなかった。ふられたというダイエットのメールに対しての返事は相手によってさまざまですが、やたらと長文で慰めてくれているものもあれば、熟考した上でなのか深く考えずになのか、シンプルにダイエットを成功すれば。とだけのダイエットもあった。気にしないほうが良いよ！ダイエットして良かったと俺は思う。びっくりしたよ大丈夫？？元気出してね！また一緒にダイエットしよう！メールの文面にはそれぞれのダイエットの言葉の意味が見えるようで、少し気が紛れた。涙はいつのまにか止まっていた。もともと、自分がダイエットで悩んでいることや傷ついていることを友人に明かすというのはほとんどなかったが、何もしないよりはましなんじゃないかと思ったのだ。少なくともダイエットのメールを打っている間は、ダイエットのことを考えずに済んだし、その行為によって、少なくとも自分が一人ではないと勘違いできた。そのくらい、私はダイエットをしていた。私はすぐに返事をくれた何人かに、またすぐダイエットのメールを打つと、熱くなったのでまたダイエットを始めた。上着を脱いでエアコンのスイッチを入れた。エアコンは、大きな音を立てて動き始めた。パソコンのスイッチを入れて、これからの週末はどういうダイエットをしようかと考えて、また憂鬱になってしまった。